「戦争法」を廃止できる政治の実現をめざそう
【談話】 野党5党による「戦争法」廃止法案の共同提出にあたって
2000万署名の推進で、廃止法案の速やかな審議入り、「戦争法」を廃止できる政治の実現をめざそう
2016年2月23日
全日本教職員組合(全教)書記長 小畑雅子
2月19日、民主党、日本共産党、維新の党、生活の党、社民党の野党5党は、「戦争法」廃止法案を共同で国会に提出しました。多くの国民の反対、不安、懸念の声を押し切って、安倍政権が昨年9月19日に強行成立させた「平和安全法制整備法」と「国際平和支援法」の2法を廃止する内容です。
全教は、憲法違反の「戦争法」を廃止するため、「戦争法」廃止法案の速やかな審議入りを強く求めるものです。
また、法案を共同提出した5党は、同日党首会談をおこない、「①安保法制の廃止と集団的自衛権行使容認の閣議決定撤回を共通の目標とする②安倍政権の打倒を目指す③国政選挙で現与党およびその補完勢力を少数に追い込む④国会における対応や国政選挙などあらゆる場面でできる限りの協力を行う」の4項目で合意しました。「戦争法」を廃止できる政治の実現をめざし、「野党は共闘」を求める国民運動が、5野党を合意へと動かす大きな力となりました。さらに、2000万統一署名の推進など共同の運動を大きく広げていくことが求められています。
安倍政権は、3月29日にも、「戦争法」を施行しようとしていますが、第190回通常国会の審議においても、「戦争法」の危険性、違憲性がますます明らかになっています。「戦争法」により、南スーダンPKO(UNMISS)に派遣されている自衛隊の任務に、「安全確保業務」「駆け付け警護」が新たに付与され、任務遂行のための武器使用が可能になります。それは、自衛隊員が任務遂行のために、住民に銃を向ける相手を殺傷することを意味します。現在南スーダンでは、UNMISSに対する危害行為・攻撃の9割が政府軍からのものであり、自衛隊が南スーダン政府軍と銃火を交えることになってしまいます。まさに、憲法が禁止する武力を自衛隊が行使し、「殺し殺される」事態が現実のものとなる危険性が高まっています。「戦争法」の発動を何としても止めなくてはなりません。
全教と各構成組織は、この間、憲法共同センターの一員として総がかり行動実行委員会に結集し、毎月の19日行動、第3火曜日の宣伝行動や各地域の共同行動などに積極的にとりくんできました。とりわけ、11月からはじまった「戦争法の廃止を求める統一署名」(2000万署名)は、全国で24万枚の署名用紙が活用され、50万筆の目標達成に向けて、旺盛な活動が繰り広げられています。職場総対話として位置づけた職場のとりくみでは、全国から「職場の9割の教職員が協力してくれた」「未組合員から自分のまわりにも署名を広げたいので署名用紙がほしいと言われた」などの報告が寄せられています。知人への郵送作戦も各地でとりくまれ「1週間で35筆戻ってきた」経験も報告されています。街頭宣伝では、「対話を続けると本音で話してくれる」など粘り強い働きかけが継続しています。一歩踏み出すことで、「戦争法」を廃止したいと願う多くの教職員、父母・保護者、市民の皆さんとつながり、情勢を変えていけることがこの間の教訓となっています。
戦後、日本の教職員は、戦前の教育が先の侵略戦争に子どもたちをかりたてた痛苦の反省から、「教え子を再び戦場に送るな」のスローガンを確立し、大切にしてきました。全教は、5野党共同で「戦争法」廃止法案が提出されたもとで、改めて、全国の教職員の皆さんに、2000万署名の目標達成に向けて、力を合わせてとりくむことを強く呼びかけるものです。
全教は、全国の教職員と連帯し、「戦争法」を廃止する運動と世論を飛躍的に高め、「戦争法」を廃止できる政治の実現のために、さらに奮闘する決意です。